TOP >> 用語辞典 >> よ >> 揚力(ようりょくlift)
■索引 : よ
翼が空気中を進行すると,周囲の空気は翼に沿って流れる。ふつう翼断面は,下面より上面のふくらみが大きいので,翼面の空気流速は,下面より上面の方が大きく加速される。
この傾向は,迎え角(α)が増すほど著しくなる。空気の圧力は,流速が速くなるほど小さくなり,逆に流速が遅くなるほど大きくなるので,通常,翼表面では,下面の圧力が上面の圧力より大きくなり,全体として翼は,上向きの空気力を受けることになる。この空気力の,飛行方向に垂直な方向の成分を揚力と呼び,飛行機が空中を飛行できるのは,機体の重量に等しい揚力を翼で発生し,重力(weight)と上下方向の力のバランスを保っているからである。
一方,流体に対して物体が静止している場合に作用する力は浮力と呼ばれ,揚力と区別される。
たとえば,ふつうの船は,浮力で船体の重量を支えているが,走行中の水中翼船は,水中にある翼に生じる揚力でその重量を支えている。